余った内蔵HDDを外付けHDDとして使う

2023-10-06PC関連

PCを HDDから SSDに換装、または小容量の SSDから 大きな SSDに換装したとき、元から入っていた HDDなどが余ってしまいます。ただ余らせておくのはもったいないので、外付けドライブとして活用できたらいいですよね。

特に2.5インチのHDDは外部電源を必要としないので外付けドライブにするには最適です。

なお、この記事を参考にストレージを外付け化する場合は、すべて自己責任で行ってください。

必要なもの

まずは、HDDまたは SSDが必要です。

今回は、以前HDD搭載のノートPCを SSDに換装したときに余ってしまった HDDを使います。SSDに換装したのは結構前で、この HDDの存在自体すっかり忘れていました。ノートPC内蔵HDDなのでサイズは、2.5インチとなります。今回の記事を書くにあたり適当な HDDはないかと考えていたらこのHDDに思いあたり使うことにしました。

あとは、「外付けHDDケース」または「SATA USB変換ケーブル」のいづれかを使って PCに接続します。

2.5インチ外付けケース

ケースの中に HDDを入れて使います。ノートPCの HDDは、ほとんど 2.5インチなので 2.5インチの外付けケースを用意します。

「SATA USB変換ケーブル」は下図のような形状をしています。

SATA USB 変換ケーブル

外付けケースからケースだけ取ってケーブルとコネクタだけにした感じですね。HDDの取り付け、取り外しがすぐにできます。値段はこちらの方が安いです。欠点としてはHDDがむき出しになることですね。SSDなら回路とか表面に出ていないので気にならないのですが。

HDDの構成を見る

取り出した HDDを外付けケースなどに入れたら、USB端子に接続して PCに認識させます。

外付けにした HDDをエクスプローラーで見ると下図のようになります。このPCでは、D:ドライブとして認識されました。元々Windowsが入っていたシステムディスクなので Windowsフォルダなどのシステム関連のものも見られます。

これを外付けドライブとして使用するなら、最低限これらのフォルダやファイルをすべて消しておきたいものです。それだけなら、D:ドライブをフォーマットすれば済みます。しかし、これでは必要ないものがディスクに残ってしまいます。

上の図のように、エクスプローラーで見るとこのHDDには、D:ドライブの領域だけがあるように見えます。けれど実際は、そのほかにシステムで使う領域も入っています。

ディスクの管理

HDDの中がどんな構成になっているかを見るには、「ディスクの管理」を使います。

start-menu

スタートボタンを右クリックするとメニューが表示されます。その中に「ディスクの管理」があるので、それを選択して起動します。

ディスク0が HDDから換装した SSD。ディスク1というのが今回外付けにしたHDDです。

これから、パーティションという単語がよく出てきます。今回必要になることだけを簡単に説明しておきます。
・パーティションとは HDDを分割したときにできるそれぞれの領域のこと
・フォーマットなどもパーティションを対象に行われる
・パーティションを削除すると未使用領域になり、隣り合った未使用領域は1つにまとめられる

ディスク1には、D:ドライブの領域のほかに「EFIシステムパーティション」や「回復パーティション」も入っています。これらは、Windowsの起動やシステムの復元に必要なもので、実行ファイルやデータを保存するための外付けディスクには必要ありません。残っていても何の役にも立たないし、使える容量もその分減ってしまいます。

「EFIシステムパーティション」や「回復パーティション」は、ふつう見えないので、D:ドライブをフォーマットするだけでも一応外付けドライブとしては使えますが、今回はすべてをまっさらにしてからディスク全体を使えるようにしたいと思います。

HDDドライブ全体を初期化してすべての領域を使えるようにする

ディスク全体を1つのドライブとしてすべて使えるようにするには、4つのパーティションをすべて削除して1つの領域にしなければいけません。

上記の「ディスクの管理」には、パーティションの削除機能があります。しかしこれ、通常のパーティションを削除することはできますが、「回復パーティション」は削除できないのです。

そこで、「diskpart」を使ってパーティションなどすべてを一気に削除することにします。「diskpart」は、もともと Windowsに入っているのでインストールする必要がなく、すぐに使うことができます。ただし、コマンドを入力して使わなければいけません。

コマンド入力と聞いて嫌な予感がした方、ご安心ください。短いコマンドをいくつか入力するだけですぐに終わります。

diskpartですべて削除する

タスクバーの検索窓に「diskpart」と入力し、「管理者として実行」をクリック。

検索窓にdiskpart

下図のように「diskpart」が開きます。

diskpart画面

PCに接続されているディスクを確認します。次のコマンドを入力して Enterキーを押します。コマンドを入力して Enterキーを押すことでコマンドが実行されます。

list disk
diskpart画面2

ディスク0は、C:ドライブなどが入っているシステムディスク。ディスク1が今回外付けにした HDDです。ディスクの番号は、「ディスクの管理」で表示された番号と同じです。

「diskpart」では、最初に操作したいディスクを選択します。間違ったディスクを選択しないように十分注意してください

今回はディスク1を選択したいので、次のようにコマンドを入力します。1はディスク番号です。

select disk 1

(ここで list diskを行うとディスク1の前に*印が付いて選択されたのが確認できます)

あとは次のコマンドを入力すると選択したディスクのすべてが削除されます。

clean

exitコマンドを入力するか、右上の閉じるボタンをクリックして diskpartを終了します。

新規領域の作成とフォーマット

「ディスクの管理」を開いてください。下図のようになっているかと思います。

ディスクの管理

前には出てこなかった「ディスクの初期化」というウィンドウが表示されます。通常はそのまま OKボタンを押してください。XPなどの古いOSでも使いたい場合は、パーティションスタイルで MBR(マスターブートレコード)を選択して OKボタンを押します。

赤枠で囲んだディスク1が、「不明・初期化されていません」から「ベーシック・オンライン」に変わったのが確認できます。この状態にならないと次で行うボリュームの作成ができません。

もしディスク1が、「不明・初期化されていません」で変わっていなければ、赤枠内のディスク1を右クリックしてメニューを出し「ディスクの初期化」を選択して再度実行します。メニューに「ディスクの初期化」がなく「オンライン」の項目ならある場合は、「オンライン」を選択し、再びディスク1を右クリックしてみてください。

シンプルボリュームウィザード

「ディスクの初期化」が終わったら、ディスク1の未割り当ての部分(斜線が入っている)を右クリックしてメニューを出し「新しいシンプルボリューム」を選択します(上図)。

ボリュームは、PCから見たときの記憶装置のことです。複数のディスクをまとめて1つのボリュームとすることもできます。HDDなどはパーティションを分けることで1つの HDDに C:ドライブ、D:ドライブなど複数のボリュームを作ることができます。ここではボリュームは、パーティションみたいなものと思っていてください。ちなみにシンプルボリュームのシンプルは、複数のディスクをまたがらないで、1つのディスク内につくったボリュームという意味です。ややこしいですね。

「新しいシンプルボリュームウィザード」が表示されます。新規領域の作成とフォーマットはこのウィザードがやってくれます。基本的には「次へ」ボタンを押すだけで終わります。

ボリュームウィザード1

「次へ」を押す。

ボリュームサイズは、最大値をウィザードが入れてくれているので、そのまま「次へ」。

ここもそのまま「次へ」を押します。

ここも基本は「次へ」を押すだけです。私の場合は、ボリューム ラベルを「ボリューム」から「Toshiba1」に変更しました。これがドライブレターの横に表示されるドライブ名(ボリューム名)になります。

ファイルシステムは、Windowsだけで使用するなら「NTFS」でOKです。他のOSでも使いたい場合は「exFAT」などOSにあったファイルシステムを検討してみてください。「クイックフォーマット」のチェックをはずすとすごく時間がかかるので、特にこだわりがなければそのままで。

完了ボタンを押してウィザードを終了します。これでこのHDDは外付けハードディスクとして使えるようになります。

「ディスクの管理」を見ると下図のようになります。4つあったパーティションが1つになり、すべての領域が D:ドライブとして使えるようになっています。

このディスクをエクスプローラーで見ると次のようになります。

以上。おつかれさまでした。

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Posted by rakurin