ブータブルUSBメモリの作り方 Ventoy編
今回は、「Ventoy」というソフトを使ったブータブルUSBメモリの作り方を書いてみます。
ブータブルUSBメモリとは
PC本体に内蔵されたストレージ(HDDやSSD)を使うことなく PCの起動を行うことができる USBメモリのことです。ライブUSBとも言われます。
USBメモリをPCに挿して、その中に入っている OSやアプリを直接起動します。Windowsのクリーンインストールや Linuxをインストールするときによく使われます。
ブータブルUSBメモリ作成に必要なもの
- USBメモリ
- OSなどのイメージファイル(拡張子.iso, .imgなど)
- イメージファイルをUSBメモリに書き込むツール
ブータブルUSBメモリ作成ツール
USBメモリにイメージファイルを単純にコピーしてもブータブルUSBメモリにはなりません。専用の書き込みツールが必要です。
有名なものでは「Rufus」というツールがあります。わかりやすい、速い、Windows11などのイメージファイルのダウンロードもできるというすぐれものです。
Ventoyがどのようなツールか説明する前に、RufusなどのブータブルUSB作成ツールを使った場合の大まかな流れを書いておきます。
- ツールを起動
- ブータブル化したいUSBメモリを指定
- イメージファイル(USBメモリに入れて起動したい)を指定
- 作成ボタンを押してイメージファイルをUSBメモリに書き込む
- ブータブル化したUSBメモリからPCを起動、なかに書き込まれたイメージファイルが起動される
ただし、USBメモリに書き込むことができるイメージファイルは1つだけです。あとから別のイメージファイルを書き込むことはできますが、前に入っていたイメージファイルは消えてしまいます。
サイズが4GBくらいのUSBメモリが数本あれば、その数だけブータブルUSBメモリを作成できますが、できれば大き目なサイズのUSBメモリ1つに複数のイメージファイルを入れたいですよね。そんなときに使えるのが「Ventoy」です。
以下、インストールから使い方まで書きましたので、ざっと読んでいただければ「Ventoy」がどんなものかイメージできると思います。
上のミニPC。送料別となってますが、ページを開くと送料無料となっていたと思います。各自ご確認ください。
Ventoyをインストールする
公式サイトのダウンロードページから Windows用ファイル(下図の場合は ventoy-1.0.93-windows.zip)をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを適当なフォルダに解凍し、ventoy2Disk.exeをダブルクリックして起動します。Ventoy起動前にブータブル化したい USBメモリを挿しておけば Deviceに表示されます。
下の図では、Deviceに TOSHIBA TransMemoryという USBメモリ名が表示されています。複数のUSBメモリが挿さっている場合はブータブル化したい USBメモリを選択しておきます。
ちなみにエクスプローラーの左側ツリーペインに表示されている E:ドライブの「TOSHIBA32GB」というのは、USBメモリを以前初期化したとき私が適当に付けた名前です。VentoyがこのUSBメモリをブータブル化するとドライブ名が「Ventoy」に変わります。
日本語化したいときはメニューの Languageから日本語を選択します。「Install」が「導入」、「Device」が「機器」と訳されるなど多少違和感がありますが各人のお好みでどうぞ。
ブータブルUSBメモリを作成する
「導入(Install)」ボタンをクリックして ブータブルUSBメモリを作成します。作成前に下図のような確認ダイアログが2回表示されるので「はい」を選択します。
作成中の途中経過が表示されます。
作成終了。
ブータブルUSBメモリ作成に成功するとUSBメモリのドライブ名が「Ventoy」となります。これが Ventoyが作成したブータブルUSBメモリになります。
今回作成したブータブルUSBメモリは E:ドライブです。ここに通常のUSBメモリにファイルをコピーするように、イメージファイルをコピーします(複数可)。不要になったイメージファイルは通常の方法で削除できます。
下図は「clonezilla」というクローン・バックアップツールと3つの Linuxイメージファイルをコピーしたところです。
イメージファイルをコピーしたらUSBから起動します。USB起動の方法はメーカーによりまちまちなので各々頑張ってください。
起動すると下図のようになります。あとは起動したいイメージファイルを上下の矢印キーで選択して Enterで決定します。
新しいバージョンの Ventoyでは、下図のようにブートモードの選択画面が出ると思います。
通常は、一番上の「Boot in normal mode」を選択して Enterを押します。これで、指定したイメージファイルが USBから起動されます。
ちなみに、HPのノートPCで「Boot in normal mode」でイメージファイルを起動したところ、解像度があっていないのか画面が乱れて何が表示されているのかまったくわからない状態になりました。そこで、「Boot in grub2 mode」を選択して起動したところ画面が乱れることなく普通に起動できました。他メーカーのPCではいまのところ画面が乱れるようなことは見たことはありません。
RufusとVentoyの使い分け
私の場合はほとんど Ventoyを使います。Rufusを使うのは、Ventoyからインストールできないもの(過去1つだけあった)とかインストール中のスクリーンショットを撮りたい場合とかです。